保険診療
保険診療

いぼやできもの、しこり、膿瘍などに対して、外科的処置を行います。
特に粉瘤(アテローム)は皮膚科でよく受診される方の多いできものです。炎症を伴った粉瘤の場合は痛みも強く、切開やくりぬき法の手術を当日おこなうと痛みや腫れなどの症状が改善される方も多いです。反対に炎症を伴わない粉瘤の場合は、予定手術にて舟形に切除し縫合するときれいに治ります。
まずは受診していただき、現在の状態とご希望に合わせた最適な治療計画をご提案します。
ステロイド局所注射は、強力な抗炎症作用をもつ注射薬を痛みや腫れ、脱毛の症状が出ている部分に直接注入する治療です。塗り薬や飲み薬ではなかなか改善しないときや、局所だけに強い症状があるときに行います。皮膚科では、特にケロイド(盛り上がった傷あと)、円形脱毛症、嚢腫型のニキビなどに対して行われます。
注射で直接患部に薬が届くので、痛みや腫れ、脱毛などの症状が早く落ち着きます。ケロイドや嚢腫型のニキビでは、盛り上がりが少しずつ平らになり、痛みやつっぱり感も和らぎます。円形脱毛症ではしばらくして注射した部位に新しい髪の毛が生えてきます。症状によっては、4〜8週間ごとに繰り返します。
患部を消毒し、細い針で少量の薬を直接注入します。処置は数分ほどで終わり、外来で受けられます。治療後の洗顔、シャワー、入浴、運動など日常生活の制限はありません。
注射をした部分の皮膚が一時的に薄くなったり、へこんだり、毛細血管が目立ったりすることがあります。治療間隔を守り、医師とよく相談しましょう。
アトピー性皮膚炎は、かゆみや湿疹を繰り返す慢性的な皮膚の病気です。従来は、保湿剤やステロイド外用薬などが中心でしたが、最近は体の中からの炎症やかゆみの原因に直接アプローチできる注射薬や内服薬のほか、ステロイドの入っていない塗り薬で刺激の少ないものが登場しています。既存の治療で効果が不十分な方の選択肢として期待されています。
アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみにはIL-4、IL-13、IL-31などのサイトカインが関わっています。
最近使われるようになった注射薬は、アトピー性皮膚炎の炎症を引き起こすサイトカインをピンポイントでブロックします。従来の治療と違い、免疫全体を抑えるのではなく、免疫の働きの一部をピンポイントに抑えるため、易感染性(感染症のかかりやすさ)の心配は少ないと言われています。
投与は自己注射または医療機関で2週間〜4週間ごとに行い、経過が安定すれば通院の間隔をのばすこともできます。かゆみの軽減や皮疹の改善は早い時期(月単位)から実感でき、長期的に症状を安定させやすくなります。
アトピー性皮膚炎ではサイトカインからの刺激を細胞内に伝えるためにヤヌスキナーゼ(JAK)という酵素が働いています。JAK阻害薬はこの酵素の働きを抑え、炎症やかゆみに関わるシグナルを遮断します。飲み薬ですが非常に大きな効果が期待でき、注射が苦手な方や、即効性を求める方に向いています。効果の発現は非常に早く(週単位)、内服を一度中止しても再開すれば速やかに効果を実感できます。JAKはアトピー性皮膚炎だけでなく、腫瘍免疫や感染免疫も含めて幅広く関係しているため、易感染性については注意が必要で、定期的な血液検査やレントゲン検査が必要です。症状の重さや持病の有無によっては使えない場合もあります。
これまでもステロイドを含まない外用薬はありましたが、タクロリムスでの一過性の灼熱感やNSAIDsでの接触性皮膚炎などで、外用をやめてしまうケースもありました。またステロイド外用薬は眼の周りに長期的に塗りにくいケースもありました。最近使われるようになった塗り薬は肌への刺激感が少なく、眼のまわりの症状にも使っていただきやすいものが増えています。お気軽にご相談ください。
アレルギーは、本来なら無害な物質に対して免疫が過剰に反応してしまうことで起こります。
アレルゲン免疫療法とは、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を少しずつ体に慣らしていくことで根本的な体質を改善する治療法です。医療機関でアレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」に加えて、近年では自宅で治療薬を服用して行う「舌下免疫療法」ができるようになりました。
当院ではダニ、スギ花粉に対する舌下免疫療法(ミティキュア、シダキュア)を行っております。
長期的に適切な治療を続けることで、長期にわたってほとんど症状が気にならなくなる可能性があります。症状が完全に抑えられない場合でも、多くの方が症状が軽くなったり、使う薬の量が減らせるようになります。
まず血液検査でダニ、スギ花粉にアレルギーがあることを確認します。
アレルゲンを少量含む治療薬を舌の下に置き、唾液を飲み込まずに1分間保持します。飲み込んでからの5分間はうがいや飲食をしないようにします。初回は必ず医療機関で服用しアレルギーが起こらないか院内で待機します。2回目以降は毎日自宅で服用し、定期的に受診してください。
どちらも3〜5年ほど継続することで効果が定着します。
ミティキュア(ダニ)に関しては季節を問わずいつでも治療を開始できますが、シダキュア(スギ花粉)はスギ花粉の飛散が多い時期(1~5月)の開始は避けましょう。
治療初期に口の中のかゆみや腫れ、くしゃみなどが出ることがありますが、多くは軽度です。まれに強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こる可能性があるため、初回や増量期は注意が必要です。
「VIEW39」検査とは、1回の採血で39種類の代表的なアレルギーの原因物質(アレルゲン)に対して体が反応しているかを調べることができる検査です。検査結果は「0~6」の段階で示され、2以上が陽性とされていますが、臨床症状を含めた総合的な判断が必要です。幅広いスクリーニングに用いられます。
「シングルアレルゲン」検査は、より多くの種類のアレルゲンに対応していますが、1回の採血で最大13種類まで調べることができます。ある程度アレルギーの原因が絞られている方にお勧めの検査です。
アレルギー素因があるかどうかを幅広く調べる検査です。
いずれも保険が適応となる検査で、結果が分かるまでには2週間程度かかります。
パッチテストとは、化粧品、日用品、金属などによる接触皮膚炎の原因を調べるために、疑わしいアレルゲンを皮膚に貼付し、アレルギー反応の有無を調べる検査です。検査は、背中や二の腕などに専用のテープでアレルゲンを貼付し、48時間後と72時間後、1週間後に反応を確認します。検査期間中は入浴や激しい運動などを避けていただく必要があります。原因不明の湿疹や繰り返すかぶれ、金属アレルギーの疑いがある方は、ぜひご相談ください。
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