痛みのお悩み
痛みのお悩み

水痘(みずぼうそう)と同じウイルスが再活性化することによる病気で、加齢やストレス、過労などを契機に発症します。年配の方に多い病気ですが、若い方や子どもにもみられます。皮膚症状は左右どちらかの神経の分布に沿った帯状の領域に、赤い斑点と水ぶくれが多数集まり、痛みを伴います。痛みの程度には個人差が大きく、痛み止めを必要としない程度の痛みもあれば、ピリピリと刺すような激しい痛みで夜も眠れないこともあります。皮膚に症状がでてくる数日前に、痛みや知覚異常などの前駆症状があり、帯状疱疹の診断に迷うことも少なくありません。
体のどの部位にも起こりえますが、特に顔や耳に生じた場合は注意が必要です。目の障害や顔面神経麻痺、耳の障害による難聴・めまい・耳鳴り(ラムゼイ・ハント症候群)が起こる場合があり、入院での治療が必要となることがあります。
外来での治療は①ウイルスの増殖を抑える内服薬、②痛み止めの内服薬、③皮膚症状に対する塗り薬が基本となります。皮膚の症状が治っても痛みが長期間続く「帯状疱疹後神経痛」という合併症が残ると、治療に難渋することがあります。急な痛みを感じたら我慢せず、早めの受診が大切です。帯状疱疹ワクチン接種も予防として有効で、該当する方には公費助成がございます。
蜂窩織炎は、皮膚の深い層(真皮深層~皮下脂肪織)に起こる細菌感染で、患部が赤く腫れて熱をもち、痛みが出ます。下肢に多く、痛みが強く歩けなくなったり、高熱・寒気などの全身症状がでることがあります。皮膚の傷や足の水虫などから細菌が侵入し起こりますが、侵入経路がはっきりしない場合もあります。糖尿病やステロイド内服中など免疫力の低下がある方に多く、放置すると重症化の恐れがあります。静脈のうっ滞やリンパ浮腫も誘因と言われています。軽症の場合は抗菌薬の飲み薬で治療しますが、中等症~重症の場合には抗菌薬の点滴が必要となり、しばしば入院になることがあります。患部が浮腫むような体勢や過度の運動を避け、安静にすることも大切です。
ひょう疽は、手足の指先に起こる細菌感染で、患部が赤く腫れて熱をもち、ズキズキとした激しい痛みを伴います。ささくれや巻き爪、爪噛みなどの小さな傷から細菌が侵入して起こり、膿が溜まっている場合には切開排膿を行います。抗菌薬での治療が必要となることが多く、腫れや痛みが強い場合は早めに受診しましょう。
魚の目(鶏眼)では、皮膚の一部に繰り返し圧迫や摩擦が加わることで角質が厚くなり、その中央にかたい芯ができて皮膚の内側に食い込むため痛みを伴います。足に合わない靴を履いたり、外反母趾やリウマチによる足の指の変形が原因になることもあります。糖尿病では知覚障害のため痛みを感じずに放置してしまい、魚の目の下に潰瘍ができることがあります。
ご自身で芯を無理に削ると感染を招くことがあります。また、ウイルス性のいぼと区別しにくいこともございます。皮膚科での診断と適切な治療が安心です。
擦り傷や切り傷などの外傷は、日常的によく見られます。痛みのために戦場が十分でなかったり不適切な処置をおこなうと、二次的な細菌感染のリスクが高まります。創部が赤く腫れ膿が出たり、痛みが強くなってきた場合には、医療機関での処置が必要です。傷の状態によっては止血のための縫合や抗菌薬の使用が必要になる場合もあります。
木のトゲやガラス片、金属などの異物が皮膚に刺さると、痛みや腫れ、赤みを生じることがあります。無理に抜こうとして一部が皮膚に残ってしまったり、感染を引き起こすこともあるため、注意が必要です。痛みが続く場合には、皮膚科でお気軽にご相談ください。
熱傷は、熱によっておこる皮膚の損傷です。高温の液体、気体、固体との接触だけではなく、湯たんぽなどの比較的低温の熱源に長時間接触することでもおこります。熱傷の重症度は様々で、深さと面積、合併症の有無、部位などで評価されます。重症例では致命的となることもあり、専門の医療機関へ救急搬送し全身管理が必要になるケースがあります。皮膚科の外来では、紅斑のみの場合や水ぶくれの範囲が少ない場合に治療が可能です。受診を迷われたら、まずはお電話でご連絡ください。軽症でも細菌感染したり、後から瘢痕やひきつれを残すこともあるため、継続した治療が必要です。
ケロイドは、傷が治る過程で、炎症の赤みがもとの傷の範囲を超えて広がる病気です。体質的な要素が大きく、体の部位によっても起こりやすさが異なります。見た目の変化だけでなく、かゆみや痛み、ひきつれを伴うことがあります。ケロイドは大変治りにくく再燃を繰り返す疾患ですが、皮膚科での貼り薬や飲み薬、ステロイドの局所注射などで治療ができます。お気軽にご相談ください。
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